
成長ホルモンを出すためには
成長ホルモンは様々な働きがあり、幼少期に身長を伸ばす働きや、内臓や器官をつくり回復させる、はりと潤いのある皮膚をつくる、筋肉を増強する、骨を丈夫にする、性的能力を高める、免疫力を調整して強化する、脳の働きをよくする、視力を良くする働きがあります。
では、そんな成長ホルモンを出すにはどのようにすればいいのでしょうか?
本記事では成長ホルモンの出し方について考察していきます。

成長ホルモンが出るメカニズム
そもそも、成長ホルモンはどのようにしてカラダから放出されるのでしょうか?
成長ホルモンは、脳の脳下垂体から放出されます。
ただ、何もしなくても成長ホルモンが出るわけではありません。
成長ホルモンの分泌には必要な条件があるのです。
そのひとつにメラトニンというホルモンの分泌があります。
メラトニンは睡眠を促すホルモンで、昼にはメラトニンは放出されにくいですが、夜にメラトニンが出ることで深い睡眠が実現し、成長ホルモンが出やすくなるのです。
また、様々な栄養の摂取が成長ホルモンの促進に効果的ですが、特にオルニチンやアルギニンのようなアミノ酸が消化・吸収されることで成長ホルモンが作られるので、これらの摂取も重要な条件になります。
さらに、インスリンが出ることで血糖値が下がり、それによって生じる低血糖状態を防ぐために成長ホルモンが出るという特殊な条件もあります。
加えて、お腹がへっている時は胃からグレリンというペプチドホルモンが分泌され、グレリンによって脳下垂体が刺激され、成長ホルモンの分泌を促進されるという条件もあります。
運動や肉体労働により筋肉や体組織が疲弊した場合や、一定のダメージを受けたときも、成長ホルモンが筋肉や体組織を再生・修復するために分泌されます。

成長ホルモンを出す方法~食事~
これらのメカニズムを踏まえて、より効率的に成長ホルモンを出していくには具体的にどうすればいいのでしょうか?
そのひとつとして、栄養価の高い食事をとることです。
といっても闇雲にバクバク食べれば良いというわけではありません。
成長ホルモンの分泌に必要なアルギニンやグレリンが摂取できる食事をするのです。
アルギニンを出すためのカギとなる食材として、大豆、エビ、レーズン、ゴマ、ナッツ類があります。
アルギニンはアミノ酸のひとつなので、このようなたんぱく質を摂取することでカラダに取り入れることができるのです。
ペプチドホルモンであるグレリンは特定の食べ物を食べれば分泌されるというメカニズムを持ってはいません。
しかしながら、空腹状態になるとグレリンが放出されます。
通常は何もしなくても自然に空腹になりグレリンが分泌されますが、あまりにも食べ続けているとグレリンの放出を妨げてしまう恐れもあるため、過度に食べ続けることは控えましょう。
成長ホルモンの分泌に必要なアミノ酸を分解・吸収するためには、ビタミン類や消化液に含まれる様々な酵素、さらに腸内細菌が必須となります。
そのような物質を取り入れるには野菜や果物などを食べる事が効果的なので、アルギニンなどを摂取するためとはいえ、たんぱく質ばかり食べずバランスの良い食事をしましょう。

成長ホルモンを出す方法~運動~
成長ホルモンを出す方法として、十分な運動も欠かせません。
しかしながら、とりあえず走ることやランニングによって成長ホルモンが出るというわけではありません。
実は成長ホルモンが出やすい種類の運動があります。
それは無酸素運動です。
無酸素運動とは、ランニングのような有酸素運動と違い、呼吸をほとんど止めた条件で行うような厳しく運動で、俗にいう筋力トレーニングのようなものです。
この無酸素運動を行うことによって、疲労した際に乳酸が放出され、その乳酸が脳下垂体を刺激し成長ホルモンが分泌されるのです。
そんな無酸素運動の中でも、大きな筋肉に刺激を与えるほどより効率的に成長ホルモンを分泌することができます。
したがって、カラダの中でも特に大きい部位である脚の筋肉や胸筋、背中周りの筋肉を鍛えることで成長ホルモンを出すことができます。

成長ホルモンを出す方法~睡眠~
成長ホルモンを出すための最後の重要なファクターとして、睡眠があります。
セロトニンが放出されることで深い睡眠が得られ、それによって成長ホルモンが出やすい事はすでに説明しましたが、それではどのようにしてセロトニンを出すことが出来るのでしょうか?
ひとつは規則正しい生活リズムをつくることです。
そのリズムが頻繁に崩れてしまうと、思うようにセロトニンも放出されません。
それに関連して、日中にしっかりと太陽の光を浴びることでカラダに起きる時間であることを教えセロトニンのメリハリのある夜中の分泌を促すことができます。
加えて、トリプトファンを摂取することでセロトニンが生成されます。
このトリプトファンはセロトニンの材料になる物質で、牛乳やチーズなどの乳製品、納豆などの豆類や白米などの穀類、肉類などの食卓でもお馴染みの食品にも含まれています。
まとめ
何もしないでも出るイメージの成長ホルモンですが、実は複雑なその分泌には複雑な相関関係があることが分かりました。
これらに注意した規則正しい生活を心がけると良いでしょう。
また、今回ご説明させて頂いた成長ホルモンがどのように身長を伸ばす手助けをするのかという内容で「アルギニンサプリが子供の身長を伸ばすは本当?アルギニンの効果」という記事もございます。
こちらも併せてご確認いただけますと更に理解が深まるものと思われますので、是非ご参照ください。