特に成長期のお子さんが身長を伸ばすために、運動は大きな影響を与えます。
どうして、運動が身長を伸ばすのに、どうして大きな影響を与えるのか?そのメカニズムをご紹介します。
運動は骨端線に刺激を与える!
子供は身長が伸びて、大人がどうして身長が伸びないのか?
その秘密は「骨端線」にあります。
骨が成長するとき、それぞれの骨の先端にある骨端線という部分から骨が伸びていきます。
身長が伸びるということは、この骨端線の軟骨細胞が増えていくことなのです。
そして徐々に石灰化といって硬くなることで、強く丈夫な骨になっていきます。
この骨端線は大人になると石灰化してなくなります。
運動はこの骨端線に刺激を加えるので、軟骨細胞の増殖を促進させます。
運動をすると、全身の筋肉が動くことで、血流がアップします。
血流がアップすることで、骨端線にある軟骨細胞にも栄養が行き渡り、軟骨細胞が増えてくれます。
ところが、運動を全くしないと、血流が低下し、骨端線の軟骨細胞が増えなくなってしまいます。
軟骨細胞は運動をすることで、細胞が引っ張られます。
軟骨細胞が引っ張られると、成長因子であるTGFβなどが細胞外で躍動し始め、軟骨の主要成分であるⅡ型コラーゲンを作ります。
このように身長を伸ばすには運動は欠かせません。
でも、運動のやり過ぎは逆効果!
身長を伸ばすために運動の重要性が理解いただけたかと思いますが、でも、運動のやり過ぎは禁物です。
特に身長が大幅に伸びる可能性のある成長期の子供ほど、運動のしすぎには注意が必要です。
運動のやりすぎは子供の背を小さくしてしまいます。
運動をやればやるほど、筋肉が発達します。
一方、骨は年齢や生育環境によって少しずつ成長していきます。
したがって、筋肉の発達と骨の発達速度に大きな差が生じてしまうと、骨が筋肉の発達についていかず、筋肉の発達によって強くなった筋力が、骨の成長を阻害してしまいます。
また、過度な加重のかかる運動は軟骨細胞に刺激を与えるどころか、軟骨細胞を傷つけ、損傷させてしまいます。
さらに、エネルギーを大量に消費する運動は、一日の摂取エネルギーを超えてしまい、栄養不足を引き起こしてしまいます。
子供は成長期に最も身長が伸びます。ですから当然、身長を伸ばすためには、大人よりも成長のために多くのエネルギーが必要となります。
過度の運動はエネルギーを大量に消費してしまうので、成長に必要な栄養までも消費してしまいます。
このように過度の運動は、成長を促すどころか、成長を阻害して身長を小さくしてしまいます。
運動を一生懸命して、レギュラー入りしたい、うまくなりたい、という思いはとても大切ですが、運動のやりすぎはかえって将来的に身長が伸び悩み、プロで活躍するのも難しくなってしまいます。
身長を伸ばすためにも運動のやり過ぎには注意してあげましょう。
運動は身長を伸ばすためには欠かせない重要なものです。
ぜひお子さんの身長が伸び悩んでいるのであれば、運動の面でも一緒に保護者の方がサポートしてあげましょう。